親の介護が必要となりそうな時ともしもの時

共倒れにならないために、親の介護はできるだけ親のお金で行いましょう。
介護費用を軽減する制度を知って、払いすぎないようにしましょう。
介護離職による生活破綻を避けるための制度を知っておきましょう。
自治体の医療や介護への取り組み、地域包括ケアシステムについて調べてみましょう。

【親が元気なうちに】

親がもらっている年金額と貯金を知っておく
→(財産をあてするわけではなく)もしもの時に親がどこに住む事ができて、どのような介護を受けることができるのを知るためです            

親は住民税を払っているか?
→住民税非課税ならば医療費も安く抑えられます
 住民税を払っている親なら扶養親族申告書の提出により寡婦  控除など負担を軽減できる事があるのでよく確認しましょう

親と同居していても親子の生計が別ならば
→住民税を払っている子が同居して同世帯の時は、親の収入がわずかであっても医療費や介護費の負担は軽減されません。
同世帯でも生計が別ならば「世帯異動届出書」を自治体の窓口に提出してみて、世帯分離が認められるケースであれば負担が軽減できます

地域包括センターについて知っておくこと
→遠距離なら電話でも相談にのってくれます。
[地域包括]✖️[親の住む 市区町村名]で検索しましょう

 

【親に心配なことが起きてきたら】

(1)親の状態をチェック (体の状態、心の状態)
    むせずに飲み込めるか?外出できるか?転びやすくないか?
    同じ話題を繰り返し話す事があるか?何月何日か把握できているか?など

(2)地域包括センターへ連絡 

(3)介護保険申請

(4)認定調査を受ける 
     できるだけ付き添って普段の様子を伝えましょう      
      介護休業制度が国で認められています

(5)医師の意見書  
   普段から様子を知るホームドクターがよい

(6)要介護認定   
   早めに認定申請を 
   親の状態が変わったら区分変更を申請
↓ ↓ ↓
要介護度1〜5  要支援1〜2 認定なし

代理カードとは

別名家族カードとも言い、作成および使用を認められているのは家族のみになります。
具体的には 「名義人と同じ世帯で、生計を共にしている」親族 です。
枚数は銀行で異なりますが、基本は1~2枚が限度です。
高齢で銀行に行くのが大変な場合などに、代わりに預金を引き出してもらえる、暗証番号を忘れても代理人が覚えているなどのメリットがあります。
本人のキャッシュカードを預かるのと違って、カードの紛失で預金が引き出せなくなるリスクなどが低くなります。
代理人カードを申請・発行する時は、名義人本人が銀行へ赴く事になります。

介護離職や同居しての介護を選ぶ前に

同居していない遠距離介護のほうが、掃除洗濯などの生活援助サービスが利用できたり、高齢者世帯向けの独自サービスがある自治体もあります。
介護認定の申請も遠方であれば、地域包括センターが無料で代行申請してくれます。
親も住みなれた環境で生活を続けられます。
元気なうちに包括支援センターで、元気な人を対象としたサービスなどを紹介してもらってどんな支援が受けられるのか知識を得ておきましょう。

介護休業はこうやって使いましょう

介護の休みには介護休暇と介護休業があります。
勤務先によってはさらに福利厚生制度がある所もあります。
介護休業は自分が親を介護するのに使うのではなく、施設探しや親の入退院、介護申請などの手続きといった、介護の態勢を整える為に使いましょう。

 【成年後見制度】

 (現在の判断力は)
↓ ↓
問題が無い
↓ ↓
将来の判断能力低下に備えたい
↓↓

任意後見制度

本人の判断能力が低下した時に受任者に何をして欲しいか、あらかじめ契約しておきます。
内容は身上保護に関する法律行為*1、財産管理に関する法律行為*2について、代理権を与える事項を公正証書で契約します。
家庭裁判所に申し立てて任意後見監督人が選ばれてから効力が発生します
*1介護契約、施設入所契約、医療契約の締結、解除等
*2預貯金の管理、払い戻し、不動産等の重要な財産の処分、遺産分割賃貸借契約の締結、解除等

 (現在の判断力は)
↓ ↓
判断能力が低下している
判断能力の程度に応じて
後見   保佐   補助

法定後見制度

判断能力が低下した時に家庭裁判
所に後見人等を選任してもらい
その人に支援してもらいます。
特定の支援者(後見人などの
候補者)を同時に申し立てすることもできます。

もしもの時にするべき事

*葬儀

  死亡届、火葬許可申請書提出、 埋葬許可書を受け取る。
  葬儀社を決めて通夜、葬儀、告別式、四十九日法要など

*届出、手続き

  住民票、戸籍 国民健康保険、介護保健、年金など
  (故人が会社員の時は健康保険や厚生年金に関する手続きは
  勤務先がほとんど手続きします)
  生命保険、などの請求、
  遺族年金寡婦年金、遺族厚生年金など該当するものがあれ      
  ば請求

*名義変更、解約など

  公共料金(電気、ガス、水道、NHK)
  携帯、固定電話、免許、パスポート
  賃貸の場合の解約、
  病院や施設に入所していた場合には精算

*相続の手続き

  (もし、相続放棄や限定承認の申述があるなら3ヶ月以内)
  遺産分割協議書の作成や遺産の名義変更
  相続税を納める必要のある人は10ヶ月以内

できる時に(該当する人は、2年以内に)
  埋葬費葬祭費申請、国民年金死亡一時金請求、
  高額療養費申請 高額介護合算

お墓を守っていく承継者がいなくなったり、遠くに住んでいてお墓の管理がままならない場合などもあります。
その場合、お墓のお引っ越し(改葬)もありますが、現在お世話になっている寺や霊園の管理者に相談して永代供養墓に改葬する方法もあります。

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