この小さな箱は糊や釘でくっつけるのではなく木を組んで作ってあります。箱の上部の口の部分にも見事な斜めの角度がつけてあり蓋がきちんと収まります。底の部分もお茶碗で言う糸床のような部分がありどこもかしこも驚くべき細やかさと正確さです。
オークビレッジと言う会社が作っていて、とても安く売られていたのでなんだか作った人に申し訳ないような気持ちになって、特に何かを入れようと言うのではないのですが、買ってきて大切にしています。
これとは逆に最近は安いけれど本当に壊れやすいものが多いです。
フランスに一時住んでいた時に加湿器を買ったのですが、最初から壊れていて、お店に持っていってそれを説明しようとしたら、それを遮り即座にオーケーと言って新しいものと替えてくれました。
私は昔の人間なので、少し位は蒸気の出方とかをチェックしたり「どこか部品を交換して直せないかな」と調べるかと思っていたのですが全くそんな事はありません。
もちろん日本でも同じで、最近ではある会社のタオルハンガーを買ってきました。
ものすごくシンプルな作りなのに釘穴とボルトが合いません。
電話したら非常に感じ良く即座に他の品に変えて下さるとの事でしたけれど、あまりにもスムーズな対応なので、「今時は全く品質管理と言う事はしないで交換だけで対応してるのね」と少し寂しいような気持ちがしました。
食べ物の産地偽装も同じ根っこですが、それでもどうしても私なども値段の安いものを買いがちになります。
そのために丁寧に作られた物を売っている会社が潰れてしまい安全な食べ物が価格の点で負けてしまうようです。
思い出せば30年位前ですが、私は働いていて半年に1度ボーナスの度に思い切って服を買っていました。当時でもスーツでも50,000円以上はしたと思います。(当時はすべて日本製です。)
断捨離流行りですがいまだに当時のワンピースやスーツは捨てるのもちょっと躊躇があります。
最近買ったものはちょっと毛玉ができたりくたびれた感じになるとすぐ捨ててしまいますが。
なんだか丁寧に作られたものは作る人の思い入れや誇りもあり買う側の気持ちもあってとても価値がある気がします。
それに比べて壊れているかどうかは単なる当たり外れのくじ引きみたいな製品を買うとあまり楽しくありません。
伝え聞く話ですが、はるか昔の事 ソ連に捕虜とした連れ去られた人たちが、そんな境遇にもかかわらず勤勉に誠実に現地でいろいろな建造物や水力発電のインフラなどを整えたとか。
その彼らのあり方が今に至っても日本人に対する信頼と尊敬を他の国の方に残し続けていると言うことを聞きました(ウズベキスタンのタシケントナボイ劇場が地震で他の建物が倒壊しても無事に残って日本人の仕事に対する敬意を集めたと聞いたことがあります。)
服なども本来は高いものだったのですから、それ相応の値段を払ってきちんとした仕事をする人が生き残っていけるような買い物をすべきなんだろうなと思いながらつい安いものを買ってしまう自分にも残念に思っています
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